筆文字小話1

同じ毎日でつまらないとボヤいた俺に
こちらを振り向きもしないで
ため息混じりに「お前なぁ……」と苦笑して
先輩はそう言った。

「ま、お前がその違いに
気づけるかどうかってことだ」
「……どうせ俺は違いのわからない男ですよ」

言って口をとがらせた俺の視線を追って
先輩はにやりと笑った。

澄んだ青を背景に
綻んだ桜の蕾が春を告げていた。