筆文字小話1

同じ毎日でつまらないとボヤいた俺に
こちらを振り向きもしないで
ため息混じりに「お前なぁ……」と苦笑して
先輩はそう言った。

「ま、お前がその違いに
気づけるかどうかってことだ」
「……どうせ俺は違いのわからない男ですよ」

言って口をとがらせた俺の視線を追って
先輩はにやりと笑った。

澄んだ青を背景に
綻んだ桜の蕾が春を告げていた。

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この記事を書いた人

小説も書ける手書きスト、筆文字アーティストの桜月あゆみです。

カラー筆ペンを使った筆文字アートや、手書きチラシ等の制作。
短編〜長編の小説も書けます。

1984年生まれ、生まれも育ちも山梨県。現在は甲府市在住。
2012年 宅地建物取引主任者(現在は取引士)取得。
2014年 処女小説が審査員特別賞を受賞。
不動産営業を引退後、現在は主婦&筆文字作家として活動中。

2016年 筆文字(伝筆)初級講座受講、その後中級講座まで終了。
2019年 筆文字グッズ(お名前詩やネームタグ、アクセサリーなど)の制作販売を開始予定。

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