「パイレーツオブカリビアン 最後の海賊」の感想など。
最新作の今作は、とても感動的なストーリーになっていました。
海賊らしく「宝物」を探したり、守ろうとしたり。
そして、家族の絆を描いているお話でした。
栄華を極めた海賊が、最後に命をかけて守った宝とは……
以下、ネタバレありなので見たくない方は映画を見てからどうぞ(艸д゚*)
今作はもう、ジャックスパロウよりヘクター・バルボッサが主役と言っても過言ではないくらい。
というかシリーズ通してバルボッサのためのストーリーだったんじゃないでしょうか。海賊バルボッサの生涯って感じでしたw
映画は字幕で2回観たのですが、2回目を観たときに、初見では気づかなかった伏線的なセリフが印象に残りました。
※ちなみにセリフはうろ覚えなのでそんな意味合いの言葉、くらいに思ってください
サラザール(死霊)に自身の艦隊を襲われたバルボッサが助言を求めた魔女、シャンサ。
サラザールから逃れるためには陸に居れば良い。(サラザールは呪いで陸に上がれない)
海賊なんか辞めたら?とシャンサ。
バルボッサはそれに反発します。
「農場でもやれっていうのか?! それに宝はどうなる?! 奪われてたまるか!」
自分はどこまで行っても海賊だ、今まで手にしてきた財宝を手放したくない、とバルボッサ。
それに対するシャンサの言葉。
「命より大切な宝って何?」
最初はあまりに物欲的なバルボッサを皮肉っただけのセリフだと思っていましたが……。
そしてシャンサはバルボッサにこう予言しました。
「(ジャックをサラザールに引き渡せば)あなたの宝も戻るわ」
でもよく考えると、この時点ではまだバルボッサは誰にも宝を奪われていないんです。
このままサラザールを野放しにしておくと、海賊が全滅しかねない、自分の宝も失いかねないという理由での「先手を打った行動」のはず……。
そして完全にラストのネタバレですが……。
今回のヒロインは、幼子の頃、父親によって孤児院に置き去りにされた過去をもつカリーナ。
父親が残した「ガリレオの日記」を読み解き、自身の出自や父親の謎を解き明かすために「ポセイドンの槍」の在りかを探していました。
もうざっくり言ってしまうと、そのカリーナの父親が、バルボッサ。
カリーナを産んですぐに、母親は亡くなってしまいました。
そして海賊であるバルボッサは、自分の元にいるよりまともな人生を送ることができるだろうと考え、カリーナを孤児院へ、泣く泣く預けたのでしょう。
物語の最後の最後で、カリーナはバルボッサが父親だと気づきます。
それももうピンチもピンチ、敵(サラザール)にやられる!というときに。
「あなたにとって私は……」
カリーナの問いかけに、バルボッサは答えます。
「宝だ」
そしてカリーナを救い、敵と一緒に海に墜ちていくバルボッサ。
バルボッサが最後に守った宝は、財宝などではなく……
娘のカリーナだったのです。
序盤の魔女シャンサの言葉、「命より大切な宝って何?」の答えがここにあります。
そして、「あなたの宝が戻る」は、かつて失った愛しい娘を取り戻すことでした。
レビューなどをみると、この魔女シャンサの登場する意味がイマイチわからないという意見があったり、ネタバレでもほとんど触れられていないのですが、
この言葉の伏線だけでも登場価値はあったと思います。
私も初見では不気味な魔女だなぁ、くらいにしか思っていませんでしたw
2回目で、あー、こういう風に繋がっているのか!と気づきました。
この物語は「宝」の物語。
バルボッサとカリーナ。そして、ヘンリーと父親のウィル。
家族の絆のお話でもありました。
ジャックは……ジャックは!?
なんかジャックがすっかり脇役っぽくなっていますがw
ジャックはもう「そういうキャラクター」が売りなのでいいんです。
彼がいないと始まらないしね。
旧作ではウィルとエリザベス、今回はヘンリーとカリーナのキューピッドですしw
そして要所要所で出てくるセリフ「Pirate’s Life」。
日本語訳では「海賊はつらい」でした。
一作目で歌われたり、ディズニーランドの「カリブの海賊」のテーマソングである「ヨーホー ヨーホー 海賊暮らし」という歌の原題は
「A PIRATE’S LIFE FOR ME」。
Pirate’s Life……海賊の人生も色々なんだな、と。
ちょっと深読みなところもあったかもしれませんが。汗
いやぁ、しかしとてもよくできているストーリー、キャラクターで流石ディズニー、世界中で人気のある作品です。
大変勉強になりました。
私もこんな風に素敵なキャラクター、物語を書きたいものです。